Gray’s Anatomy

解剖学は、基礎医学の重要科目の一つであることは言うまでもありません。和書の教科書も多数出ていますから、あえて洋書を選ぶ必要性を感じないかもしれません。しかし、基礎医学科目であるからこそ、最初の2年間で多少なりとも医学の基礎を英語で学ぶ事が必要ではないでしょうか。

Gray’s Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice, 41e

1858年に Henry Gray と H.V. Carter による編集のもと初版が刊行されて以来、医学のランドマークであり続けている解剖学書の決定版、『グレイ解剖学』。初版から160年を経て版を重ねること41回。サブタイトルにもある通り、臨床実践のための解剖学的基礎を提供する内容になっています。今改訂では、X線技法、CT、MRI、超音波診断の最先端の情報を取り入れています。ExpertConsultの電子書籍版が付属しており、全文のほか、紙版には収め切れなかった図版や画像、ビデオも閲覧できるようになっています。医学書のスタンダードと称しても過言ではない書籍です。

グレイ解剖学には、派生商品がたくさんあります。実のところ、上記のメイン書籍は、医学部生にはボリューム的にも金額的にも手が出しにくいと思います。そのため、医学部生向けにもう少し軽めの(内容的にもサイズ的にも金銭的にも)書籍が刊行されています。解剖学テキストとしては以下の書籍のほうがお薦めです。

Gray’s Anatomy for Students: With STUDENT CONSULT Online Access, 3e

上記の名著『グレイ解剖学』を基に作られた学生向けの『グレイ解剖学教科書 第3版』初版は2004年。前版の第2版から日本語翻訳版も出版されています。この第3版にも日本語翻訳版があり、『グレイ解剖学 原著第3版 電子書籍(日本語版・英語版)付』として刊行されています。実は、この日本語翻訳版を購入すれば、英語版と日本語版の両方の電子書籍も読めてしまうという、コスパに優れた教科書です。英語版の方にもStudentConsultという電子書籍が付属していますので、洋書版か翻訳版か迷うなら紙版の本を英語で読みたいか日本語で読みたいかの違いですね。でもこの書籍なら、あえて洋書版を買う必要はなく、和書版を買って、英語版は電子書籍で読む、という使い方が一番良いと思います。

Gray’s Anatomyにはその名を冠にした類書、関連書が多数出ています。問題集のレヴュー、フラッシュカード、アトラス(図譜)、さらに上記の学生版をさらにエッセンシャル化したBasic版など。純粋に解剖学を洋書で学ぶなら、お薦めは臨床にも踏み込んでいる上記の学生向け第3版です。医学部生だけでなく、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)やカイロプラクティスの学生さんにもお薦めできます。

Gray’s Anatomy Review: with STUDENT CONSULT Online Access, 2e

Gray’s Anatomy for Students Flash Cards: with STUDENT CONSULT Online Access, 3e

Gray’s Basic Anatomy, 2e

Gray’s Atlas of Anatomy, 2e

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